MAINTENANCE 歯のメインテナンス

メインテナンスとは

日本人は特に虫歯の多い人種だといわれています。日本人の12歳時における虫歯の発症率は、歯科先進国の北欧に比べて約4倍も高いそうです。その理由に、予防歯科の普及率の低さがあります。日本では、「歯医者さんは歯が痛くなってから通うところ」と思っている人がほとんど。しかし世界では「予防のために歯医者さんに通う」という考え方が一般に広まっているのです。
当院では、予防歯科に力を入れています。ここでは当院がご提供する予防歯科について詳しくご紹介します。

メインテナンスの重要性

虫歯や歯周病といった歯の病気になっても、治療をすれば最低限の機能回復ができます。しかし、あるデータによると、たとえば虫歯治療で削った歯に詰めた詰めものの寿命は5年程度であり、その後も治療が必要になって、最終的には歯を失ってしまうケースが多いといわれています。治療を受けた歯はダメージを蓄積し、失うリスクが増加するのです。
結局は、何も治療を行っていない天然歯に勝るものはなく、病気を防ぎ、歯を削らないことが一番の“予防”といえます。聖司歯科では健康な歯を生涯残すために、メインテナンスのための予防プログラムをご用意しています。

当院はスウェーデン式予防システムであるGBTを導入

GBT(ガイデッド・バイオフィルム・セラピー)は、バイオフィルム(口腔中の細菌が集まって作られた細菌膜)を除去するための、スウェーデン式の予防システムです。
これまでは、歯石や歯の着色にアプローチする予防処置が一般的に行われていましたが、近年の研究によって、虫歯や歯周病は歯の表面に付着したバイオフィルムが引き起こす感染症であるとわかってきました。
歯石や着色ではなくバイオフィルムに対して処置をする方が、効率よく、なおかつすぐれた効果を発揮するのです。
GBTによる処置では、バイオフィルムを目に見える状態にしてから行うため、歯科器具による歯への不必要な接触を極力減らすことが可能になりました。
歯のエナメル質や象牙質、歯茎などへの負担を最小限に抑えながらバイオフィルムを除去できるため、従来のようにスケーラーを使ってカリカリと歯石を削っていく予防処置が苦手だと感じていた方にもおすすめです。

GBTの目的

  • 細菌の棲み家であるバイオフィルムを除去
  • 初期の虫歯の発見
  • 虫歯の予防
  • 被せ物の周りのクリーニング
  • 健康な歯の維持
  • インプラント周りのクリーニング

GBTと従来のクリーニングの違い

歯や補綴物を
極力傷つけない
従来から広く用いられている超音波スケーラーなどのクリーニング用の器具には、歯やインプラントなどを傷つけやすいという問題点がありました。インプラントに傷がついてしまうと耐用年数に問題が生じる恐れがあります。
また歯のエナメル質に傷がつくと、痛みを感じたり、傷が原因で虫歯になったりする可能性があるでしょう。
GBTでは、おもにエアフロープロフィラキシスマスターという器具を用いて、歯に器具が直接触れないよう処置をしていきます。バイオフィルムや歯石だけを除去できるため、インプラントや歯を傷つける心配がありません。
治療時間が短縮される
GBTではバイオフィルムを目に見える状態にしてから行うため、従来から広く行われてきたクリーニングと比べて、正確かつ的確な処置が可能です。必要な処置のみを行うため、治療時間が飛躍的に短くなり、患者様への精神的・身体的な負担が格段に減りました。
バイオフィルムに
着目している
バイオフィルムが虫歯や歯周病の原因になることが研究により判明したため、当院では従来のように歯石除去を優先して行うのではなく、GBTによるバイオフィルムに着目した処置を行っています。
循環器疾患や糖尿病は、歯周病と深い密接関係にあることが報告されています。高齢者の方はバイオフィルムが原因で誤嚥性肺炎になるリスクが高まることもわかっており、近年注目されています。

GBTを行う目的

  • 01

    健康な歯質の維持

    エアフローはエナメル質、象牙質、セメント質、歯肉など、さまざまな歯科組織に対する侵襲性を抑えながら、患者様の快適製を追求しています。また、子供・大人の虫歯、歯周病の予防にも効果的です。

  • 02

    矯正装置の維持

    矯正装置を装置していると日々のブラッシングでは磨きづらい部位が生じるためバイオフィルムの繁殖をより招いてしまい、矯正装置であるワイヤーの摩擦・う蝕・歯肉炎を誘発することがあります。エアフローをプラスパウダーと一緒に用いることで、磨きづらく問題の起きやすかった部位の清掃がしやすくなり矯正装置や歯を傷つけずにバイオフィルムを除去できます。

  • 03

    う蝕予防

    バイオフィルムは肉眼では確認ができないので染出しすることで可視化し容易に取り除くことができます。またGBTにより、子供の方や大人の方の虫歯や歯周病の予防をしやすくなります。

  • 04

    審美修復物の維持

    歯肉退縮は審美修復物にとっては大きなマイナス要素です。定期的にバイオフィルムを取り除いて歯のメンテナンスをすることで審美修復物周りのステイン・着色を防ぐことができます。

GBTコンセプトに基づいた、メンテナンスの流れ

Flow01診査

  • 口腔内の状況確認と歯周組織検査。
  • カウンセリングを行い、お口の中の検査、細菌検査、レントゲン、口腔内写真、生活習慣の内容等も診査します。
  • 洗口液を用いて洗口します。

Flow02染め出し

  • 染出し液を使って、バイオフィルムを可視化します。
  • 虫歯・歯周病の原因であるバイオフィルムを取り除きます。
  • バイオフィルムを取り除くことにより歯石の検知が容易になります。

Flow03情報提供

  • 患者様の予防意識を高め、適した治療法を提案します。
  • ブラッシング指導を行い、患者様に適した歯ブラシ・フロスなど使い方の説明をします。

Flow04歯肉縁上・縁下のエアフロー

  • 修復物、天然歯、インプラントには、エアフローを使います。
  • 14μmのエアフローパウダープラスを使って、歯肉縁上、最深4mmまでの縁下のバイオフィルムを除去していきます。
  • エアフローパウダーレモンを使い、エナメル質上に残っているステインを除去します。

動画でより詳しく見たい方はこちら(https://youtu.be/jfwIl3yRlCk

Flow05歯肉縁下のペリオフロー

  • 歯肉縁下4mmから9mmまでの歯周ポケット内にあるバイオフィルムを除去します。
  • 天然歯の深いポケット・インプラント周囲粘膜炎・根分岐部にエアフローパウダープラスを使用します。
  • 目盛りがついてあるペリオフローノズルを使用して、ポケットの深さを調べます。

動画でより詳しく見たい方はこちら(https://youtu.be/gIR6AZFODnU

Flow06スマートピエゾンとPSチップ

  • 最小侵襲性のPIEZON®機器を使い、残っている歯石の除去をします。
  • 歯肉縁上および縁下10mm までには、低侵襲なPIEZON®チップPS を使用します。
  • 10mm を超えるポケットの場合には、ミニキュレットを使用します。
  • インプラント補綴周囲・修復物は、PIEZON®チップPI を使用します。

Flow07指差し確認

  • バイオフィルムが残っていないかを最終確認します。
  • 歯石除去が完全にできたか確認します。
  • 齲蝕の有無を正確に診断します。
  • 歯面にフッ素を塗り保護します。

Flow08リコール予約

  • お口の健康=QOLの向上です。
  • リスク分析に従ってmリコール時期を計画します。
  • 患者様に治療の評価してもらいます。

使用機器について

当院のGBTは、EMS社がGBTに基づいて開発した最新機器である「エアフロープロフィラキシスマスター」を使用します。この機器を使用することで、歯・歯肉に余計な負担をかけることなく処置をすることが可能になります。

詳しくはこちら

聖司歯科の
メインテナンスプログラム

定期検診

当院では、通常3〜4ヶ月に一度のペースでの定期検診をおすすめしています(健診のペースは患者様の症状や口腔内環境によります)。
検診では、虫歯や歯周病のチェックだけでなく、噛み合わせのチェックも行っています。もし虫歯ができてしまった場合は、削るタイミングと箇所を患者様と相談してから治療に入ります。

Nd.YAGレーザー+パイオキュア

当院ではNd.YAGレーザーとパイオキュアを併用し、虫歯になりにくい歯質をつくっています。

ブラッシング指導

予防の基本はブラッシングであり、いくら定期的に検診を受けていても、日々のブラッシングがおろそかになってはお口のトラブルは防げません。また、きちんと磨いているつもりでも、きちんと「磨けている」とは限らないのです。
口腔内には個性があるため、一人ひとりに合った正しいブラッシングは異なります。当院では患者様の口腔内をしっかりと把握し、適切なブラッシング指導を行っています。セルフケアをしっかり行い、健康なお口の状態を維持しましょう。

ホームケア

歯磨きについて

磨き方もありますが、歯ブラシ・歯磨き粉の選び方によっても予防の差がでてきます。お気軽にお尋ねください。

  • 歯ブラシの選び方

    当院では、CURAPROXの歯ブラシを推奨しております。口内を隅々まで磨けるよう設計された八角形の持ち手が特徴であり、独自に開発されたCUREN(R)繊維が歯や歯肉を傷つけることなく、プラークを除去します。
    通常、歯ブラシの毛量は300〜500本ですが、CURAPROXの毛量は 5960〜7600本(製品により本数が変わります)と圧倒的です。3倍以上の毛を用いることによって毛が当たる表面積が増え、通常の歯磨きよりも効率的に口腔ケアできます。
    毛のやわらかさもCURAPROXの歯ブラシの魅力であり、ホームケアに心地よさをもたらしてくれるでしょう。

  • 歯磨き粉の選び方

    歯磨き粉を選ぶ際には、発泡剤が少なく歯磨剤が入っていないものをお選びください。
    発泡剤の基本成分はラウリル硫酸ナトリウムであり、口内炎の原因になる可能性があります。また歯磨剤が含まれていると歯の表面を傷つける恐れがあるため、茶渋などが付着しやすくなるでしょう。
    MARVISの歯磨き粉はお口の香水とも言われており、バスタブに浸かりながらリラックスした気持ちでデンタルケアしていただけます。歯周病のひどい方は殺菌効果の高いものを、虫歯傾向の方はフッ素入り、知覚過敏の方は知覚過敏用と使いわけることをおすすめします。

食事について

プラークとは、食後の歯の表面に形成される粘着性のあるバクテリアの薄皮のことをいい、口の中にいろいろな問題を引き起こしてしまいます。プラークを歯の表面からなくすためは、食べ物のことだけでなく、気をつけないといけないことが多くあります。まずはご自身の食生活を見直してみましょう。

  • 歯に良い食べ物

    ニンジンスティックやセロリなど食物繊維を多く含む野菜を積極的に摂取しましょう。歯磨きができないときには、シュガーレスガムを噛むこともおすすめです。唾液の量が増えるため、歯につまった食べかすをある程度除去できます。

  • 歯に良くない食べ物

    ガム、キャラメル、グミ、チョコレート、ドライフルーツなどの歯に付着しやすくやわらかい食品は、口腔内で酸を発生させる原因となります。お口の中で⻑くとどまることで細菌に糖分が取り込まれ、酸を生み出すのです。
    そのほかにも、酸性の強い食品、酢、炭酸飲料、乳酸菌飲料、かんきつ類なども、頻繁に摂取することで歯のエナメル質を溶かす恐れがあります。

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